八幡神社(下館城:鎮守社)概要: 八幡神社は茨城県筑西市下中山に鎮座している神社です。八幡神社の創建は享保17年(1732)に下館藩主となった石川総茂が氏神である石清水八幡宮(京都府八幡市)の分霊を下館城の本丸に勧請したのが始まりとされます。
以来、石川氏歴代の崇敬社、下館城の鎮護社として庇護されました。現在の本殿は勧請当時に建てられたもので、一間社流造、総欅造りで明治時代以降下館城が廃城となり城内の建物が破却される中、残った唯一といる建物として貴重な存在で昭和52年(1977)に筑西市指定有形文化財に指定されています。
又、八幡神社の社宝として江戸時代初期に制作され代々石川家に伝わる大袖鎧が奉納されていて昭和39年(1964)に茨城県指定重要文化財に指定され、境内は下館城の城跡として昭和51年(1976)に筑西市指定史跡に指定されています。
境内には下館藩主で勤王の志士だった渋谷伊予作顕彰碑が建立されています。渋谷伊予作は天保13年(1842)に下館で生まれ、文久2年(1862)に下館藩を脱藩、京都に上り尊皇攘夷派として行動し同じ尊皇攘夷派の急先鋒だった中山忠光に師事しました。
文久3年(1863)には所謂「天誅組の変」に参加しましたが「八月十八日の政変」によって会津藩・薩摩藩を中心とした公武合体派が、京都の尊皇攘夷派を一掃し、伊予作も津藩によって捕縛されました。文久4年(1864)に京都六角獄で刑死、享年23歳。維新達成後に罪が許され明治24年(1891)に従四位が贈られています。
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