塙家住宅(笠間市)概要: 塙家住宅は茨城県笠間市安居に屋敷を構えている古民家です。塙家は江戸時代初期にこの地に土着し代々名主や村役などを歴任した家柄です。元々は秋田家(安東家)に仕えた武家で納戸役などを担っていましたが、秋田家が慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いで東軍に組みしたものの事実上減封で慶長7年(1602)に秋田を追われ宍戸藩主になった際、随行して当地に配されました。
正保2年(1645)2代藩主秋田俊季が三春藩(福島県三春町)に移封になると三春には随行せず当地に土着し帰農の道を選択し、その後は代々割元名主を歴任しています。現在の塙家住宅の建物(主屋)は18世紀中頃に建てられたと推定され、外観や平面は曲屋風ですが内部では広間、座敷、納戸といった居住部(主屋:桁行7間、梁間5間半、カミザシキ、仏間など)と土間(釜屋:桁行7間、梁間3間半、2頭分の厩、台所、作業場)が分離している分棟型民家と呼ばれています。
塙家住宅の屋根は主屋部分が寄棟、茅葺、平入で、分棟部は土間の上部に中二階を設け開口が必要だった事から寄棟屋根の妻面の一部を切り落とした兜屋根としています。これらの形式は主に茨城県北部に多く見られ、塙家住宅はその典型で当地方における上層農家住宅の特徴が残る建物として昭和51年(1976)に国指定重要文化財に指定されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-笠間市教育委員会
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