一色家住宅(土浦市)概要: 一色家は土浦藩主土屋家一族で代々国家老などの要職を歴任しました。明治時代の当主一色範疇は土浦経済界でも大きな影響力があり明治11年(1878)には第五十国立銀行設立に尽力し初代頭取に就任しています。現在の建物は幕末の文久3年(1863)に江戸詰めの藩士達が急遽引き上げる事になり土浦城から北方1km程離れた当地に新たに郭を造成し敷地割りされた際、建てられたものです。新郭の約23万坪の敷地には石高に見合った160戸の武家屋敷が新築され、中には土浦藩校「郁文館」の分校である「采藻館」も建設されています。建物は木造平屋建、寄棟、茅葺(土庇は桟瓦葺)、平入、桁行8.5間、梁間4間、建築面積201u、内部は8畳間が4室あり田の字型に配され正面と庭園側には廊下となっています。周辺は宅地化された為、現代的な建物が並ぶ住宅街になっていますが敷地割や塀などが僅かですが存在し当時の雰囲気を留めています。一色家住宅は当地域に残された唯一の武家屋敷の遺構で「国土の歴史的景観に寄与している」との文部科学省の登録基準を満たしている事から平成13年(2001)に国登録有形文化財に登録されています。
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