長興寺(かすみがうら市)概要: 鳳林山長興寺の創建は慶長7年(1602)、本堂茂親が出羽仙北郡本堂領(現在の秋田県美郷町本堂)8983石から常陸国新治郡志筑領(幕末には2500石加増され藩(志筑藩)の扱いとなります。)8500石に移封、その際、竜山和尚を招いて本堂家歴代の菩提寺として開山したのが始まりとされます。江戸時代を通して領主の菩提寺として庇護され寺運が隆盛しています。
長興寺の本寺は仙北郡本堂領時代の菩提寺だった瑞雲院で、当時は隣接する仙北郡角館領主である戸沢家(後の新庄藩主)も同じ菩提寺となっていましたが戸沢家に随行し現在は山形県新庄市に境内を構えています。本堂家と戸沢家は領土が近接している為に敵対するものの親戚関係でもありました。石高は異なりますが、関ヶ原の合戦後は両家共に佐竹氏旧領である常陸に配され、平和な時代では同じような苦労をしています。
長興寺の寺宝である絹本著色涅槃像(絵画)は室町時代に制作された絹地の曼陀羅(中央に釈迦が横たわり多くの生き物達が泣き崩れている図)で縦169p、幅126pは昭和41年(1966)、茨城県指定重要文化財に指定されています。
現在の長興寺本堂は貞享元年(1684)に住持雲外端良が再建したもので、桁行8間、入母屋、銅板葺き、平入、外壁は真壁造、白漆喰仕上げ、同じく山門も貞享元年(1684)に建てられた建物で薬医門形式、切妻、銅板葺、共に昭和46年(1971)、かすみがうら市指定有形文化財に指定されています。
境内には歴代本堂氏の墓碑が並び昭和46年(1971)、かすみがうら市指定史跡となっています。又、境内には5百羅漢と呼ばれる様々な石像が安置されています。山号:鳳林山。宗派:曹洞宗。
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