常陸国衙(石岡市)概要: 常陸国衙は茨城県石岡市総社1-2石岡小学校内に位置しています。常陸国衙は常陸国府の中心的な施設で行政や軍事などの拠点として整備され内部には多くの建物が建てられていました。現在の石岡小学校周辺が国衙跡とされ発掘調査では多くの柱穴が発見され中には直径1.5m、深さ2mのものもあり、かなり大型な建物が建ていたと考えられています。当時の常陸国は11郡を統括する大国で中央政府からも重要視されていた事が建物の規模からも窺え、周囲には常陸国分寺や常陸国総社宮などの国の祭祀を司る宗教施設も点在しています。
常陸国衙は大きく3期に渡り建て替えられており、1期目には中心より北側に正殿が設けられ、その前面に前殿、両脇には東脇殿と西脇殿がありその前には同規模の付属舎、背後には規模の小さい付属舎が配され敷地を囲うように塀が建てられていました。2期目に入ると正殿の両脇には東楼閣、西楼閣が建てられ、3期目には西側に規模の大きい門が存在しています。常陸国衙は他国のもの比べても規模が大きく当地域が重要視されていた事が窺えます。常陸国衙は大変貴重な事から名称「常陸国府跡」として平成22年(2010)に国指定史跡に指定されています。
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